三鷹交通安全フェスタ開催
2024年9月28日(土)午後0時30分から、三鷹市役所で三鷹警察署主催の交通安全フェスタが開催された。
このフェスタでは、見て、聴いて、様々な交通安全に関する体験を通して、楽しみながら交通安全について学べる。
多くのゲストを迎えて
このフェスタは三部構成になっている。
第一部の開会の式典では、主催者挨拶・来賓紹介の後、気象予報士・女優 半井小絵さんへの一日警察署長委嘱式などが行われた。
雲がかかっているものの雨の降る気配はなく、秋らしい天気の中でのスタートとなった。
続く第二部では、三鷹市立第二中学校の生徒による演奏、亜細亜大学チアリーディングの学生による演技、三鷹交通少年団によるダンスがイベントを盛り上げる。
地域の子供や学校が、交通安全というイベントにしっかりと関わりを持っている様子が感じられた。
観覧席の保護者の方々が、真剣にカメラを向けている姿も印象的だった。
亜細亜大学チアリーディング部のみなさん
第二部の最後は交通安全トークショーだ。
一日署長の半井小絵さんと三鷹警察署署員の方が、自転車安全利用五則について話した。
特に興味深かったのは、自転車での死亡事故では7割の方が頭に怪我を負って亡くなられているという点だ。
「そのような中でも、三鷹市内のヘルメット着用率は6%と低い」と、三鷹警察署署員の方は話す。
この着用率の低さを受けて、三鷹市ではヘルメットを購入する市民に2000円の助成を行っている。
着用率の低さとともに、助成が出ることについてもっと知ってほしいと、トークショーは締めくくられた。
自転車安全利用五則について話す半井さん
第三部はスケアード・ストレイトが行われた。
スケアード・ストレイトとは、プロのスタントマンたちによる交通事故の再現だ。
目の前で事故の再現を行い、見た人に安全への意識を高めてもらうのが目的となる。
ぶつかっても怪我をしないようにガードされたクルマ
通話やおしゃべりをしながら自転車で走行
今回のフェスタでは、自転車で通話やおしゃべりをしながら走り抜けるスタントマンに、クルマが衝突する事故が再現された。
目の前でスタントマンと車がぶつかった時は、例え演技と分かっていても、会場全体が強い緊張感に包まれた。
司会進行の方が、事故直後に取るべき行動を観客に尋ねたが、驚きで「119番に電話する」と即答できない参加者もいた。
また、自転車の走行中にどのような違反があったのか、司会の方より観客に質問があった。
「通話しながら走行していた」「横に並んで走行していた」など観客が返答し、違反についての共有が行われた。
実際の事故により近い様子を目の当たりにして、気づきを得た参加者も多いようだった。
クルマにぶつかって倒れたスタントマン
家族で楽しめるアトラクションブース
メインステージのこのようなイベントと並行して、その他のアトラクションブースも多く見られた。
敷地内に設営されたアトラクションには、実際に馬に乗れる騎馬隊体験、白バイ・パトカー乗車体験、バルーンアート、横転体験車、反射神経測定、危険予測や渋滞のシミュレーターなどがあった。
見て、聴いて、体験できるものばかりで、どのアトラクションにも家族連れの列ができていた。
大人気の騎馬隊体験
保護者も体験できる白バイ・パトカー乗車体験
シートベルトの大切さを知る横転車体験
危険予測シミュレーターでは、歩行者や自転車の視点からどのような場面や場所に危険が潜んでいるかについて体験できる。
実際の街並みに近いバーチャルリアリティの世界の中を、参加者は危険を予測しながら進む。
横断歩道での手の上げ方、錯覚による気づきにくい危険などについて、より実際の体験に近い形で学べる。
リアルな街並みを再現した危険予測シミュレーター
死亡事故ゼロを目指して
今回はイベントを主催する、警視庁 三鷹警察署交通課長 吉田竜太さんにお話を伺った。
警視庁 三鷹警察署交通課長 吉田竜太さん
「今回のフェスタを通して、交通事故を防ぐためにどういうところに目をつければいいのか知ってほしい」と話す吉田さん。
例えば危険予測シミュレーターでできるような、歩行中や自転車乗用中の思いもよらない危険については、実際に遭遇して学ぶというわけにいかない。
シミュレーターで経験すれば、安全な中で気をつけるべきポイントが分かり、危険予測の精度が上がる。
スケアード・ストレイトにしても、もし一般人がぶつかったら大怪我をしてしまう。
しかし、スタントマンは演技で事故を再現できるので、それを目の当たりにした人が、どうすれば事故にならないのか、実際起こった時はどのよう対処すればいいのか考える訓練になる。
このような経験を通して交通事故を減らす一助になれば、というのが今回のフェスタの目的だ。
三鷹警察署管内の交通事故防止における目標については、難しいことかもしれないが、と前置きしてから「死亡事故0を目指したい」という。
交通事故は、被害者はもちろんのこと加害者にとっても不幸で、誰一人幸せになる人がいない。
誰も幸せにならないものだからこそ、決して起こしてもらいたくないというのが吉田さんの考えだ。
三鷹警察署は、今回のフェスタに先駆けて9月22日(日)にはSTARTUP キャンペーンを開催、翌23日(月)にも井の頭自然文化園で交通事故防止キャンペーンを行っており、交通安全啓発にとても積極的だ。
三鷹警察署では今後も様々なイベントを通じて、交通事故防止の大切さを訴えていく方針だ。
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