1960年代に中企業から大企業へと成長の階段を上りかけていた本田技研工業がさまざまな要因で倒産の危機に陥ったときがありました。そんなときに私に「交通安全の啓発活動を一緒にやってほしい」との要請があり、私は「一時的なキャンペーン活動なら辞退したい」とお答えました。ところが、「ユーザーの安全はコストであり、利益に優先するものである。だから交通安全の啓発活動も一時的なものではなく、会社が続く限り継続する」という返事が返ってきました。当時の企業としては画期的で潔い決断に大いに感動した私はこのアストクリエイティブの前身であるスタジオ・エフを立ち上げ、現在に至っています。
以後45年にわたってHondaと共に、交通安全、環境、販促に関わるさまざまな制作物を手掛けてきましたが、正直、いつもやりがいを感じていました。まだベンチャー企業の域だったHondaの発展のごく一部でも担っている、という手応えもありましたし、社会に貢献しているという自負もありました。最近はHonda以外の企業や団体のお仕事もいただいていますが、贅沢をいわせていただけるのなら、これから大きな成長を目指す、または業態の変革を狙う企業様とご一緒にお仕事ができればと思います。
プロモーション媒体の制作会社でありながら、企業の成長に寄り添える情報ブレーンにもなる。これこそ、私たちの仕事だと思っています。