小学生の登下校時の交通安全について観察する
DATA
歩行中の事故の32.6%が登下校中に起きている
内閣府の交通安全白書によると、平成27年~令和元年の6~12歳の歩行中の交通事故死者・重傷者数は3034人で、このうち32.6%の989人が、登下校中に事故に遭っている。
それぞれの割合は、登校中10.4%、下校中22.2%となり、それ以外は私用となる。
学年別に見ると1~2年生に特に多く、学年が上がるにしたがって少なくなる。
年少人口の全体的な減少に伴い事故件数自体は減少傾向だが、状態別の割合に大きな変化はなく、どの年も「歩行中」の割合が60%程度を占めている。
引用元https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r02kou_haku/zenbun/genkyo/feature/feature_01_2.html
WATCHING
登校時間の7~9時 進入禁止の交差点の様子
今回取り上げるのは神奈川県川崎市にある信号機のない交差点だ。
朝7~9時までの通学時間帯は、登校時間帯の児童の安全のため、この交差点から左側の道に侵入することができない。
観察時間の7~9時は車両も歩行者も往来が多く、2時間の間に交差点を通過したクルマ、バイクは計879台だった。
クルマ、バイクも多いが、側に小学校、中学校、高校があるため歩行者や自転車も多い。
この時間に交差点を通る6~12歳までの児童は67人でだった。
登校時間の7時30分~8時頃は特に多く、狭い歩道の端を歩く姿も見られた。
児童の人数が比較的少ない時間帯になると、進入禁止の道に進入する車両がみられるようになり、その台数はクルマ16台に上った。
進入禁止の道
信号のない交差点
どちらも信号のない交差点のため、クルマ、バイクはいったん停止し、児童が横断してから通過していた。
しかし児童の数が少ない時間帯になり、成人や自転車の横断が増えた時間帯では、横断者がいても横断歩道の手前で止まらず、通過するクルマが3台見られた。
ADVICE
登校時間帯は特にしっかり標識を確認する
クルマ、バイクは信号のない交差点の危険を認識しているとみられ、横断待ちの歩行者がいるほとんどのケースで停止していた。
児童も同様で、ほとんどが手を上げて横断していた。
しかしこの通学路では、道幅が狭いなどの条件も重なることから、地域での見守りや指導が必要だと考えられる。
また、進入禁止を守らないクルマが多く、ドライバーが認識しやすい標識の設置や周知が必要だと感じた。
進入禁止の道に進入すると青切符の対象となり、普通車の場合、違反点数は2点、7000円の罰金となる。
ドライバーは交通標識をしっかりと確認する習慣をつけ、児童がより安全に登校できるように配慮してほしい。